ユーロ/円相場は、120円の節目割れを試す展開になっている。キプロス支援問題は一応の収束状態を迎えたが、欧州リスクに対する警戒感を完全に払拭するには至らず、ユーロ相場の戻り圧力は限定されている。また、円サイドでも4月3~4日の日本銀行・金融政策決定会合を控えて円売りポジションに対して調整圧力が強くなっている。
4月4日には欧州中央銀行(ECB)理事会が開催されるが、今会合では現行政策が据え置かれる可能性が高い。3月の理事会では、ドラギ総裁が年内の景気回復に自信を示したばかりであり、キプロス情勢を巡る混乱が一時的なものに留まる中、追加緩和カードが直ちに切られる可能性は低い。理事会内では、追加利下げの必要性を巡る議論も活発化する見通しだが、コンセンサス形成にはなお時間が必要だろう。ただ、イタリアで連立政権樹立構想が暗礁に乗り上げ、欧州重債務国の利回りに対して上昇圧力が継続する中、ユーロの上昇余地は限定されよう。ユーロサイドから改めてユーロ高・円安を進めるためのハードルは高い。
一方、円サイドでは日銀政策会合が最大の焦点になる。国債購入野枠組み統合、購入対象国債の残存期間延長など様々な案が浮上しているが、ここで踏み込んだ緩和策との評価が広がれば、改めて円売り圧力が掛かり易くなる。逆に、これで当面の円売り材料は出尽くしたとの評価が広がれば、円高圧力が強まる可能性もある。ただ、いずれにしても日銀が緩和政策を強化する方向性に変化がない以上、円安圧力がユーロ/円相場の下落余地を限定しよう。ここ数週間の安値圏で保ち合い気味の相場展開を想定している。
今後1週間の予想レンジは、118.50~122.00円。